「五円」が「ご縁」と誰が言ったのか

数年前にも似たような記事は見かけたことがあるのですが、
下記のような記事を最近見かけたのでふと気になったことを
ちょっとだけ調べてみました。

「綺麗な解決」にはなっていませんが、まぁそうだろうなという考察で終わっています。

この記事そのものは、まぁそうですね、と言っただけなのですが、
自分がふと気になったのは、
いつから「ご縁」となったんだろう? ということです。

五円硬貨 – Wikipedia

少なくともwikipedia(過信しているわけではないですが)では、

日本国内では、「ごえん」が「ご縁」に通じるとして、縁起のいい硬貨として、神社や寺院への賽銭として好まれる傾向にある。

という内容だけで、深くには何も触れられていません。

じゃあ、よくありがちな、クリスマスやバレンタイン、節分の恵方巻みたいな企業等の戦略の成果なのでしょうか。

ちょっと遡ると1984年に「ごえんがあるよ」というチョコが出たみたいですね。

ただ1984年より前から「ご縁」文化があるため、
神社等の賽銭として使われ始めたのがいつか、
の観点で調べた方が良さそうです。

ポイントは五円玉自体は100年も経っていないということから、
高確率で歴史的なものは関係ないと想定できます。

賽銭 – Wikipedia

主として五穀を紙に包み奉納した。貨幣経済の進展に伴い米・雑穀よりも銭貨が増え

しかし、現在のように賽銭箱が置かれるようになったのは近世以降である。また、地域によっては長らく米が供えられていた。

歴史的には「五穀」から次第に貨幣に変わって行ったみたいですね。

五穀に何かあるかなと覗いてみましたが

五穀 – Wikipedia

特に進展しそうな情報もなく。

神社視点で調べた方が良さそうかな、というところで
「いずもたいしゃ」ではなく「いずもおおやしろ」が正しい読みだと
最近話題になった、出雲大社の「よくあるご質問」を見てみました。

Q11、お賽銭の金額は決まっていますか」によると下記の記載が。

お賽銭を5円にすると「ご縁がある」とか、(略)。これは、まったく根拠のないおもしろおかしくしようとの“ためにする”語呂合わせにすぎません。

これが決定打になりそうですね。

一般人がただ単に勝手に言い出して、
今でいう「いいね!」状態で口コミ等で共感・広まっただけで
歴史だけではなく文化すらも何もない類の可能性が高い雰囲気です。

なんとも・・ありがたみのない結果です。
苦言ですが賽銭の作法・マナーはいったいどういう根拠で?
と、今後は白い目で見てしまいそうです。。

五円玉のデザインは農業、水産業、工業を表す、としていますし、
古来の五穀の代わりに五円を、としたほうがよっぽどいいです。

さすがに発端と周知がネットが存在する前の口コミ等が手段だと、
追うのは難しそうですし、綺麗な解決ではないですが、
少なくとも「五円」の「ご縁」に意味はなく、
あくまで「願掛け」なので、
そこ(金額がどうとか、由来がどうとか)が大事なところではない、
というのは確かです。

出雲大社や願掛けのページから抜粋すると、大事なのは
「神や仏にその願いに対する真摯な姿勢を伝えること」。
そして、「その気持ちをもって日々の生活を送ること」。
宗教観の違いなどはさておき、真摯に過ごすのはいいことだと思います。